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猫の血栓塞栓症(後大動脈血栓塞栓症)

猫の血栓塞栓症(後大動脈血栓塞栓症)について、お話しいたします

この病気は、血小板が凝集することによって血栓(血の固まり)を形成し、これが血流にのり末梢部でつまることでおこります。
とうぜん、つまった先には血液が流れない為組織破壊がおこってきます。
心臓病(心筋症など)を患っていることが多いとされています。

血栓症は、身体検査である程度の判断がつきます。

突然、動けなくなる。多くの場合腰が立たないor後ろ足の歩行障害が急に生じる。
元気なくなる。食べない。
痛みのために、鳴くようになる。注意深く身体を触ると後ろ足が冷たい。


以上の様な症状が「突然」でます。さっきまで元気にしていた子が急におかしくなるのが特徴です。

猫ちゃんの場合は、後肢に向かう血管で血栓が詰まることが多いです。

治療は、内科的、外科的な方法がありますが、残念ながら治療成績はあまりよくありません。
血栓を溶かす薬(モンテプラーゼなど)と血管を広げるお薬を中心に治療していきます。
入院して、静脈血管に点滴でお薬を入れていきます。投与中も病状が急変することも多く十分な管理を必要とします。また、お薬がとても高価ですので、ご家族様とよくお話しをして投与を開始します。
また、詰まっている血栓を開腹手術で取り除く事も検討します。
しかし、全身麻酔をしなけらばならない為、すでに血行状態の悪い猫に対する麻酔リスクは当然高いといえます。また、術後も循環不全や今まで滞っていた血流が急に再開されると体内でダイナミックな変化(血液の再潅流障害といいます)が生じる事も多く楽観視できません。

この病気は症状がでないとわかりません。
すなわち、「血栓を作りやすい病気」にかかっていないかどうかを知る以外に、予防はないと言ってよいでしょう。
事前に血栓を作りやすいとわかれば、血栓形成を抑制するお薬を飲むことである程度の予防をする事ができます。

昔から言われていることではありますが、人も動物も定期的な健診で無症状の病気を発見する事がとても大切なのだと思うのです。

後ろ足の写真です。下に写っている足の赤みが薄いのがおわかりになりますでしょうか?
これは、血栓により血液の流れが滞っている為です。
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体温を測っています。直腸では血流低下の為、体温計で測定出来ないほどの低体温(LOの表示”測定下限以下の意味”)となっています。
後肢は筋肉の緊張が始まっています。
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一方、耳の中で測定すると、体温測定が可能です。(とはいえ循環不足のため体温は33.3度と低体温です)
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by takeuchi-ah | 2013-12-21 15:13 | 病気

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