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武内どうぶつ病院 ブログ

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カテゴリ:病気( 37 )

実際の歯周病の治療(スケーリング)の内容についてご紹介いたします。

○次のように、1から5の順(一度に実施します)に行います。
1スケーリング
超音波スケーラーという、歯石除去専用の医療器機を用いて歯に付着した歯石を取ります。

2キュレッタージ
歯周ポケット内に入り込んだ歯垢・歯石を除去してキレイにします。、
痛んだ部分の歯肉をリフレッシュ
すると言ったら、イメージしやすいかもしれません。

3ルートプレーニング
痛んで回復の期待できない歯肉組織を内側から除去する処置です。こうすることで歯と歯茎の間にできたスキマが再び密着できるようにします。言わば「下ごしらえ」です。
歯ぐきさん、また歯にくっついて!ということです。この処置を行わない限り、「歯周ポケットは深くなる一方です」「自然治癒は全くと言っていいほど期待できません」

4ポリッシングと口腔内の消毒・洗浄
歯の表面をなめらかにしたり、舌や歯肉の表面を飲んでも大丈夫な消毒液で
洗浄します。

5薬剤塗布(注入)
状況によって、歯周ポケットに治療薬を充填します。

その後、最終確認したのち麻酔がさめるまで、十分に確認処置いたします。

※ 上記のような「治療」は繊細な作業となる為に、全身麻酔または鎮静をおこなわないと実施できません。数ミリの深さのポケットを歯肉や歯へのダメージを最小限になるよう気を付けながら、かつ充分な除去、洗浄を行うにはどうしても必要となります。
※ 「日本小動物歯科研究会」[リンク貼っておきます]でも無麻酔で歯石を取ることに注意をうながしています。


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by takeuchi-ah | 2016-07-14 14:03 | 病気
お口の中の問題と言えば、歯周病が有名ですが、今日はその他の疾患についてお話しします。

下の写真は、下アゴの歯肉にみつかった「おでき」です。
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全身麻酔を施して、病理検査を実施しました。その結果「歯肉の悪性腫瘍」ということがわかりました。
※ その後拡大切除手術を実施することになりました。

もちろん、そう頻繁に生じるわけではありません。単なる歯肉炎で腫れているだけのことも多いのですが、見た目では全く区別がつかないことも多いです。
日頃から、歯みがきを習慣化しておき、お口のチェックをしておくことが理想ですが、なかなか現実は難しいですよね。

口の中はなかなか観察しにくいと思いますが、
時々、チェックして気になる「腫れ」や「おでき」の様なものがあれば
あまり様子を見ずにご来院することをオススメします。

「武内どうぶつ病院WEBサイト」より。

by takeuchi-ah | 2016-07-10 11:41 | 病気
〜フィラリア症の治療〜
急性症状:元気や食欲がなく、呼吸困難や腹水の貯留、褐色尿などの全身症状がでている場合には、心臓から虫自体をとりだす外科治療を行うこともあります。ご想像のとおり、麻酔のリスクも高くなります。
 フィラリア検査で陽性がでているが、症状がないかわずかの場合には、内科的(投薬)治療が選択されます。うまくいけば、数ヶ月〜2年ほどで陰転します。
多くのフィラリアの体内には、「ボルバキア」というリケッチアが住み着いています。
最近の研究で、フィラリア症犬が体調を崩すのに、このボルバキアが大きく関わっていることがわかってきています。

そこで、フィラリア感染症の犬の治療にこの「ボルバキア」を駆除する薬を感染犬に投与すると、フィラリアの多くが生きていくことができないようです。
ドキシサイクリンという抗生剤の投与によりかなりの確率で死滅します。すなわちフィラリア症の治療になるというわけです。
投薬推奨プロトコールが発表されています(やや長期の投与となります)

※しかし、フィラリアの治療がうまくいき、検査結果が陰性になっても、「感染前の状態に100%戻ることはありません」心臓血管系には、フィラリア虫体の影響により様々な病理的変化がおこっています。この疾患はしっかり予防薬を投与していれば防げる疾患ですので、きちんと予防しましょう。

ちなみに「2015年の動物病院獣医師を対象としたアンケート」の結果、
フィラリア感染頭数は、埼玉県は全国ワースト3位の結果でした。(ちなみに1位が愛知県、2位千葉県でした)
この調査結果が統計学的に信頼できる調査かわかりませんが、いずれにせよ「フィラリア症は過去の病気ではない」ということは言えると思います。

埼玉は大都会でもなく、ほどよく田舎の地域もありますので、蚊は発生しやすいのかもしれませんね。

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by takeuchi-ah | 2016-05-10 17:00 | 病気
犬用の新しい外耳炎治療薬「オスルニア」についてご紹介します。

このお薬、特徴がありまして、、
一週間に1回、耳のなかに注入するお薬です。
これを計2回行い、二週間で治療が終了します。

「この間、原則自宅では何もしません」

ゼリー状になった有効成分が、持続的に患部から吸収されるため、自宅では何もしなくてOKです。
治療後、約一ヵ月間効果が続きます!特に、自宅での点耳が嫌がってしまう子、お忙しくて愛犬に手がまわらない子?(^_^;)などにはオススメかもしれません。

先端がラバー状の専用チューブに入っており、挿入の際に耳にやさしい構造になっています。
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耳が臭う、赤くただれている。茶色の耳垢が出ているなどの外耳炎を予想させる症状がでている場合にはご相談ください。

※ ただし、外耳炎という疾患群はとても奥が深く、単なる「耳の炎症」にとどまりません。繰り返したりする場合には、アトピーや食物アレルギーなどが背景に潜んでいる場合もありますので、ご相談ください。
オスルニアの成分は「フロルフェニコール」「ベタメタゾン」「テルビナフィン」で、それぞれ、抗菌薬、消炎ステロイド薬、抗真菌薬で、3種類の合剤となっています。

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by takeuchi-ah | 2016-05-09 08:47 | 病気
皆さんもご存知のように、近年「アトピー性皮膚炎」の犬が増えています。
このアトピー性皮膚炎の事を略してアトピーと表現することが日常会話では多いのですが、厳密にはアトピーとアトピー性皮膚炎は別です。また、似ているものに「アトピー様皮膚炎」なるものもありますが、話しが難しくなるので、今回は「犬のアトピー性皮膚炎」の治療のひとつである「インターフェロン療法」について書きます。

アトピー性皮膚炎の治療には、ステロイド剤、シクロスポリン、インターフェロン、漢方薬等の全身投与薬の他、減感作療法などもあります。

インターフェロンは正確には「組換え型イヌ インターフェロンγ」(rCaIFN-γ)を使用した治療の事で、「インタードッグ」の商品名で東レさんから認可、発売されているものです。
簡単に言うと、この薬剤を2、3日から7日の間隔で注射していき(初回導入)その後、投与間隔を開けていくという治療です。

アトピー性皮膚炎を良化させるしくみは、ごく簡単に言うと「アンバランスな免疫細胞の機能を整える」ことによります。約70%の子に有効であると言われています。(特に若い子は反応が良いようです)

●メリット●
ステロイドにくらべ、副作用が低い。
アトピー体質から正常に近い体質に近づける事が期待できる。

◆デメリット◆
注射なので、少なくとも初期はこまめな通院が必要。
効果判定に約1ヵ月ほどかかる。
維持には数ヶ月を要する。
ステロイド薬よりは高価。

↓下はアトピー性皮膚炎の写真です。(二枚とも同一犬)
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INFがまったく効果がなかったという事例も30%の割合で存在するので、数多くある「犬アトピー性皮膚炎」治療法のひとつということであろうと思います。

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by takeuchi-ah | 2015-11-27 17:27 | 病気
過去にも書きましたが、歯のお話しを書こうと思います。

犬や猫たちの口臭の原因といえば、歯石が一番に思いつきますね。

下の写真は一見すると、歯にはさほど歯石は付着していません。
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重要なのは、歯の表面よりも歯茎との境界部や、歯を支えているアゴの骨(歯槽骨と言います)の状況分析が大切です。
自動車に例えれば、歯の表面汚れをとっただけでは、「洗車だけして、エンジンや足まわりの点検をせずに整備を終了するようなものです」歯周ポケットと言われる部分の処置は「歯科処置ではきわめて大切です」


歯根部膿瘍
といって、簡単に言うと、「歯の根っこ部分が腐ってしまっている」状態です。もっと正確に表現するならば、歯自体が腐っているのではなく、歯の根を支えているアゴの骨が腐って溶けてしまっているのです。
前歯に生じるとクシャミがでたり、奥歯に生じると目やにが出るようになったりします。
一見、歯とは無関係に見える症状が、サインだったりします。

これは、犬の頭蓋骨の解剖学的構造に由来します。
歯根(歯の根っこ)の先端は、鼻腔や眼窩(目玉がはいっている骨のくぼみ)の部分に極めて近くに位置している事から生じるものです。

お口が臭う、鼻先を気にしてこすっている、
クシャミをする、鼻から濁った鼻汁が出る、
目やにが出る、などの症状がでていたら
要チェックです。


一見普通に見えますが、、、、


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     ↑器具の先端が、こんなに奥まで挿入できます。
      (一番上の写真と比べてみて下さい)

       このあとウミが多量にでてきました。

↓2本の歯を抜歯した後に、腐肉(壊死した歯肉や骨)を切除しキレイにした後、歯科抗生物質を充填して歯肉縫合しました。
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↓この子は上の子とは別のわんちゃんですが、「目の下の脱毛」が来院された理由です。診察の結果上顎臼歯(奥歯)に歯根部膿瘍の存在がわかりました。歯科処置を実施し、今では元のように発毛し脱毛域は消失しました。
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若干、眼の充血もあることもポイントでしょうか。
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上写真は、術後の様子です。
奥歯が酷い歯周病のため、抜歯をおこないました。処置後、20日程でもとの皮膚にもどりました!

歯周病は「単純な歯の汚れではありません」。
歯垢(しこう)は「食べカス」ではありません」
歯石(しせき)は「食べかすが固くなった物でもありません」
これらは「口腔内の感染症」です。



放置しておくと歯を支えるアゴの骨を溶かす病態へと進む「過程」
なのです。重度になるとアゴ、とくに下アゴの骨は骨折することがあります。まさか、歯周病でアゴの骨が折れるなんて!と思うと思いますが、これが「歯周病」の正体です。

※ 歯科処置はそれほど敷居の高い検査、治療ではありませんので、気楽に診察を受けて頂きたいと思います。

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by takeuchi-ah | 2015-11-22 09:00 | 病気
◆時々、飼い主様に腫瘍(がん)の原因はなんですか?と聞かれることがあります。完全に解明はされていないのが現状ですが、簡単に言うと、身体の設計図に相当する「遺伝子」に何らかのダメージが生じることが原因と言われています。
ヒトでは喫煙と肺がんの関係がわりと有名かもしれませんが、実は猫ちゃんでも同様な報告がでていますので、ご紹介します。

             ★ずばり!★

「飼い主さんが喫煙すると、飼われているねこちゃんがリンパ腫という腫瘍になるリスクがあがる」というものです。

●「American Journal of epidemiology」に掲載された論文によると、飼い主さんがタバコをすう家庭の猫ちゃんと、タバコを吸わない家庭の猫ちゃんで比較すると、吸う家庭の猫は「リンパ腫」になる確率が2.4倍も高かったということでした。 

 要因として、猫も副流煙を吸い込むことにくわえて、毛づくろいをする時に、毛に付着したタバコの成分を一緒に舐めてしまうからではないかと言われています。
う〜ん。考えさせられますね。

私自身は喫煙はまったくしませんが、 愛煙家の方は「愛猫の為に禁煙」を考える良いきっかけになるかもしれませんね。
 
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「武内どうぶつ病院」院長ブログ

by takeuchi-ah | 2015-09-24 14:39 | 病気
時々、腫瘍(がん)の原因はなんですか?と聞かれることがあります。

人間も含め、腫瘍の発生原因はまだまだ不明な点も多いのが現状です。
簡単に言うと、細胞の遺伝子情報に何らかのダメージがおき、分裂、複製等に問題がおきることが始まりと言われています。

ヒトでは喫煙と肺がんの関係が言われていますが、実は猫ちゃんでも同様な報告がでています。

ずばり「飼い主さんが喫煙すると、飼われているねこちゃんがリンパ腫という腫瘍になるリスクがあがる」
というものです。
アメリカの学術誌「American Journal of epidemiology」に掲載された論文によると、飼い主さんがタバコをすう家庭の猫ちゃんと、タバコを吸わない家庭の猫ちゃんで比較すると、吸う家庭の猫は「リンパ腫」になる確率が2.4倍も高かったのだそうです。 

 要因として、猫も副流煙を吸い込むことにくわえて、毛づくろいをする時に、毛に付着したタバコの成分を一緒に舐めてしまうからではないかと言われています。 

 これを機に「愛猫の為に禁煙」を決意されるよい機会かもしれませんね。
 

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by takeuchi-ah | 2015-09-17 17:24 | 病気

犬の白内障

眼が白くなる病気と言えば、「白内障」を思い浮かべる方も多いと思います。
しかし、実際の診察の現場では白内障以外の事も多いため、ご心配な場合には
一度拝見させて頂くとよろしいかもしれません。

人の場合、白内障といえば、老化現象、つまり老齢性白内障が一般的ですが、
犬の場合、実はこの加齢が原因の白内障はとても少ないのです。

若齢性と言われる、遺伝の関与したものや、その他の眼科疾患による併発、
眼をぶつけたりした外傷性糖尿病に起因するものなど、老化現象以外の要因で発生する白内障の方が多いというのが現状なんです。

白内障は手術ができ、もとの視力を取り戻せる疾患ではありますが、それは
眼内にレンズの混濁以外に大きな異常がない場合に限ります。
たとえば、眼の奥には網膜という画像をとらえるスクリーンのような膜があるのですが、この部位の異常が白内障の発生に関与していることもあります。この様な場合には、白内障手術をしても視力は回復できません。
手術適応か否かは、まえもっての十分な検査が必要になってきます。
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            ↑手術前

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            ↑手術後
写真は先日、手術をしたワンちゃんです。
経過も大変良好です。
飼い主さまは、よく見えるようになったためか、活動性が増したと仰っていました。

※ 当院では、白内障の手術の場合には専門の先生をご紹介しております。
  当院院長と親交が深く、自信をもってオススメできる先生です。

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by takeuchi-ah | 2015-01-10 18:48 | 病気

猫の慢性腎不全の治療薬

腎不全の猫ちゃんに朗報!!
腎不全の猫ちゃん専用のお薬(新薬)がでました。「セミントラ」という名前ですでに販売せれております。
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こちらのお薬、猫の腎不全にターゲットをしぼった、まさに猫のためのお薬といってよいでしょう。成分はテルミサルタンといいます。

同じ目的(作用機序がほんの少し違う)内服薬はすでに発売されていました。ただし、猫の腎不全の専用のお薬ではありませんでした。
また、錠剤タイプでしたので猫ちゃんには少し飲ませにくかったかもしれません。

こちらの「セミントラ」は液体タイプでほぼ無味無臭です。
附属のシリンジ(細い注射ポンプのようなもの)で与えます。
メーカー実施の試験ではありますが、98%の慢性腎不全の猫ちゃんがこのお薬を飲むことができたそうです。

腎臓が悪くなると、さまざまな悪循環が生じ、腎臓悪化サイクルがまわりはじめます。
詳細な作用メカニズムは割愛しますが、簡単に言うと、、。

1 障害がおきた腎臓には構造上の変化が生じ、高血圧状態となること。
2 それにより、蛋白質が漏れ出てしまうこと。
3 漏れた蛋白自体にも、腎障害を悪化させる作用があるということ。


新しく出た「セミントラ」にはこの悪循環サイクルをある程度抑えてくれる作用があります。
★まとめ★
腎臓にかかる血圧を下げてくれ、腎臓の内部構造の崩壊を防ぎ保護してくれます。
加えて、尿たんぱく質の漏出をおさえてくれるので、腎臓機能障害にブレーキをかけてくれます。

こんな良い事をしてくれるお薬ですが、すべての猫ちゃんに適応になるわけではありません。
併用してはいけないお薬などもございます。
詳しくは、かかりつけ医の先生に聞いてみて下さいね!

もちろん、猫ちゃん自身に腎不全にならないようにすることが大切ですので、若くても
定期的に尿検査や血液検査
などで、腎機能のチェックをすることをオススメいたします!!


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by takeuchi-ah | 2014-11-23 15:00 | 病気

さいたま市大宮区天沼町1-84-3 tel 048-871-8025


by takeuchi-ah